Interview 4 / ERA

Interview File 4
ERA
悩みや辛かった経験を踊りに昇華し身体表現へ。自身の想いを発信するファクター。
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Question 1:
TF(FUSION)スタイルのベリーダンスをはじめようと思ったきっかけは?

YouTubeで見つけたZoe JakesやEthel Animaの動画でした。ベリーダンスを踊り始めたのは大学の部活に入ったことがきっかけで、元々はエジプシャンスタイルのオリエンタルを習っていました。
ソロを踊るときの表現力を養いたいと思い色々なダンサーの動画を観ている中で、当時自分が打ち込んでいるスタイルとは別の“トライバル”“トライバルフュージョン”というジャンルがあることを知り、重厚感のある衣装や精密なアームスの動きに惹かれました。
特にトライバルフュージョンは選曲や振付にダンサーの世界観や個性が色濃く現れていて、表現の自由度がとても高いことを知りました。 伝統あるエジプシャンスタイルを私達の世代がきちんと踊り継いでいくことは大切だと思う一方で、多方面からインスピレーションを受けて踊りに落とし込み、自分のスタイルを創っていくトライバルフュージョンが自分には合っているように思い、ベリーダンスを踊り初めて4年目くらいに本格的にシフトしました。

Question 2:TF(FUSION)スタイルは他のジャンルと比較してどんなところに魅力を感じますか?

誰にでも開かれたインクルーシブなジャンルであるところです。 先述した通り表現の自由度が高いので、他のジャンルをミックスした振付や衣装のコーディネートなどで自分の個性を出せるところが奥深くて魅力的だと感じています。
また表現だけでなく、外見や年齢についてもインクルーシブだと思います。
あらゆるダンスを習うとき、なんとなく“こんな容姿が望ましい”みたいな規範があるじゃないですか。「オリエンタルダンサーといえば髪が長くてグラマラスな体型で…」、K-POPなら「若くて色が白くて華奢で…」みたいな。それがモチベーションにつながることもあるので規範があること自体を否定はしませんが、逆に自分とのギャップに悩んでしまうこともあると思います。
私の感覚では、トライバルフュージョンは体型や外見や年齢のハードルをかるがる飛び越えて“その人らしさ”をダイレクトに伝えてくるジャンルという印象があります。
そこを観客として楽しむ一方で、自分がパフォーマンスする時には自己満足に終わらないように、そのバランスはいつも最大限の注意を払っています。

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Question 3:仕事とダンスの両立は大変だと感じますか?またプライベートにダンスが影響する良い効果はありましたか?

大変じゃないと言うと嘘になりますが(笑)、ダンスのためと思うと仕事も頑張れます。
私はプライベートの時間はほぼ全てダンスにつぎ込んでいるので読者のご参考になるか分かりませんが(笑)、休日はダンス以外の趣味や家族・友人との時間を楽しんでいるメンバーも多くいるので、両立自体は問題なくできると思いますよ!
私も時間がある時は友達と出かけたりアートに触れたりする時間を作るようにしていて、そこから振付のインスピレーションを得ることも少なくないです。

Question 4:ダンスを続けてきて特に印象的な出来事があれば教えてください。

私のダンスを「人が命を削って作り上げている世界を見せてもらえている感じがする」と形容してくれた人がいました。またある人からは「悩みや辛かった経験が踊りに昇華されているのだと思う」とも。
自分のスタイルの本質もそこにあるのかもしれないと思っていて、きっとこれからも悲しんだり苦しい経験をするたびに“私には踊りがある、必ず踊りに生かす”と言い聞かせていくのだと思います。
悩みやすい性格ゆえ生きづらさを感じることも多いのですが、こんな私の踊りでも誰かの心に響いてくれて、息を呑み引き込まれてくださることが嬉しいですね。

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Question 5:これからベリーダンスを始めたいと考えている興味を持ってくださった人に向けて何か一言。

ここまで読んでくださりありがとうございます。
トライバルフュージョンに限らずですが、ベリーダンスはいくつから始めても遅くないと思います。“太っていては/痩せていては美しくない”ということもありません。仮にそんな価値観が今もまだ残っていたとしたら、私と私たち以降の世代で変えていきたいと思ってます。
ベリーダンスはあらゆる女性性を(男性性をも!)肯定して「私なんて…」の呪いを解くダンスです。一緒にやりません?

Profile / プロフィール
ERA
東京外国語大学在学時、小松芳氏が顧問を務めるベリーダンス部に所属しエジプシャンスタイルを学ぶ。2018年よりYuukoKaderに師事。


出演・新着情報 📺 Instagram / @wkk0
Photo / Kiyoshi Ohira, Yuki Matsumoto, Apache

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